Niの電析と電子ビーム溶融による工業用純Tiの耐摩耗性向上に関する研究が Materials Transactions に掲載決定されました。
このたび、王 雷氏(博士課程学生)、奥川 雅行先生(A01a)、柳玉恒先生(A01a)、趙研先生(A02b)、安田 弘行先生(A02b、中野 貴由先生(A03a)、小泉 雄一郎(A01a)らの研究成果が、国際学術誌 Materials Transactions に掲載されることが決定いたしました。
工業用純チタン(Ti)は、生体親和性、優れた耐食性、高い比強度および良好な力学特性を有する材料として、医療・航空・化学分野などで広く利用されています。一方で、耐摩耗性が低いという課題があり、摺動環境下での適用には制限がありました。
本研究では、この課題を克服するため、Ti基材上にNiを電析し、その後電子ビーム照射により電析Ni層と下地Tiを合金化させることで、NiTi系層を形成しました。NiTiは形状記憶特性および超弾性を示す材料として知られており、弾性回復能の向上を通じた耐摩耗性改善を設計コンセプトとしました。
その結果、作製したNiTi系層では耐摩耗性の有意な向上が確認されました。超弾性挙動そのものの直接測定には至っていないものの、硬さとヤング率の比(H/E)の増加が認められ、弾性回復特性の向上が示唆されています。H/E比の増加は、耐損傷性や耐摩耗性向上と相関する指標として知られています。
本成果は、電子ビームを用いた表面合金化によるTi材料の高機能化技術として、高耐久構造部材への応用展開が期待されます。
掲載論文:
“Microstructural evolution and wear resistance enhancement of electron-beam-fabricated nickel titanium coatings on titanium by heat treatment”
Materials Transactions(Accepted: 10 February 2026)
2026.2.10
